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私が部屋を見渡している間に、ベッドに着いた中條君は上着だけ脱いだそのままの服装でさっさと横になりはじめたから、案外、体調は本気でキツかったのかもしれない。
「スーツ皺になるよ。着替えた方が…」
「もういいよ、明日休みだし」
そう言ってベルトだけ外すと、先ほど私が返した鍵と一緒にサイドテーブルに置いた。
「ここに鍵置いとくな。出る時締めといて。来週、会社で返してくれたらいいから」
「ああ、うん」
「返さなくてもいいけどね♡」
「月曜朝一で返すね」
ふざけた台詞に食い気味に答えると、ははっ…と楽しそうに笑うから、不意打ちでドキッとした。
いや…、しっかりして、私!!
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