9 クズで馬鹿で嘘つき

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頭を抱えながら、必死に次の言葉を探す。 そんな私に注がれる視線。 恐る恐る顔を上げると、どういうわけか中條君はなんともいえない顔をしていて…。 「どうしたらいい?ことごとく予想外の反応が返ってくるんだわ…」 なぜか彼までが頭を抱えるのを見て、こっちの方がどうしよう??となる。 しかも、ため息まじりにポツンと落ちてきた言葉が聞き間違いでなければ……、 「やっぱかわいいわ…」 「………ぅえぇ?」 「いや、なんでもない。何も言ってねぇ…」 これまで何度か聞いたものと同じなのに、これまでと違って即座に打ち消してくる……とか、なんだろう??
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