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握ったその瓶のラベルを見ると……、「スルッと落とせるクレンジングジェル」ね。
手元にあるものと合わせて並べてみると、五本中、三本がクレンジング…。
「………ありすぎるのよ」
これだけでも、思いやられるクズ度合い。
こんな奴に心奪われてしまったら、人生設計は台無しだ。
“一回きり”の女になんてなりたくない。だからといって、“賢く”なんてなれそうにない。
でも……、“なんでもない女”になるのは、もっと嫌だなぁ…。
思わず漏れてしまった本音に絶望する。
もしかしたら、私は抜け出せない沼に一歩足を踏み入れてしまったのかもしれない。
《9章 クズで馬鹿で嘘つき》
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