10 中條side(3)

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なんで俺はコイツに電話したんだ? 料理もできなきゃ、敬語も使えない。 外面は良くてモテるだけが取り柄みたいな、とにかく生意気で手が掛かる後輩に少しでも頼ろうとするなんて、俺はどうかしている……どころか、血迷っているレベルだわ。 だって…、そもそも帰りたがっている女を引き留める必要がなくね? もういい。全部説明するのも面倒くさい。 『好きにしろよ。じゃあ切るわ』と会話を終えようとすると、『あ、そっか』と聞こえてくるから、つい反応してしまう。 『なんだよ?』 『中條先輩、料理得意なんだから、何か作ってあげたらいいんじゃない?』 『何かって?』 『朝ご飯とか?一緒に食べようって誘ったら、多少の時間稼ぎにはなるかも…』
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