3 クズの本性

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嘘でしょ!??私ってば30分以上、迷ってるってことじゃん。 念入りに昼休みが終わる前に出発して、余裕なはずだったのに…。 あと5分で会議が始まる。どうしよう?? 危機的な状況に思わず乾いた笑いが………いや、笑えないわ…。 とにかく、1秒でも早く会議室を見つけないと!! 焦りに焦っていたところ、突然、社用の携帯が鳴った。 見ると相手は中條君だったため、急いでそれを取る。 「はい、佐原です!あの…」 「資料まだ?」 短くも耳障りの良い声が、ダイレクトに鼓膜に届く。 それだけでドキリとする――――…が、今はそんなこと言っている場合じゃないの!! そうじゃなくても、彼の声色は非常に真剣な時のそれなわけで…。
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