1 同期の男はクズ野郎

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そのうえ、コミュ力抜群で細かいところまでよく気が付くし、優しいところもあって、不意に笑った顔はキラキラしていて、話すたびにドキドキしていた…………のは、絶対にただの不可抗力。 今となっては入社初日に、カッコいい♡どストライク〜♡♡とかキャアキャアなってしまった自分を呪いたい。 だって、月日が経てばそれも虚像。 入社以来、ほぼほぼ毎日、奴とは顔を合わせているけれど、本来のあの男は仕事以外はほんっとクズで馬鹿。 細かいところまでよく気が付くように見えたのは、単に特技に近いほど洞察力が優れているため。 優しかったのは、ただの女好き。 はっきり言って、奴は口を開けばくだらないことしか言わないし、隙を見つけては綺麗な女性と連絡先を交換しているし、息をするように女を口説く見境のないスタイルには心底辟易する。
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