132人が本棚に入れています
本棚に追加
2 翌朝の失態
少し冷静になれば、我ながら、とんでもないことをやらかしたと思う。
ホテルから逃げてきた手前、明日、中條君に会ったら、どうしたらいいんだろう?
というか、金輪際、会いたくない。
彼がいる会社に行きたくない。
いっそのこと、代行頼んで退職しようか…。
…………なんて思いを巡らせたところで、朝が来れば、出勤するしかないのが社会人の宿命というもの。
それに、営業ホープの彼は大抵、外出していてほとんどオフィスにはいないんだから、予定を確認してうまくやれば、顔を合わせなくて済むかも。
なので、私は本日も予定通り出勤して、会議資料の準備に勤しんでいるのですが…………、
「ただいま戻りましたー」
「お帰り〜、中條」
えぇぇ!??今日は午後の会議まで外じゃなかったの???
早々にオフィスに戻ってきた中條君の声に、思わず身を隠すようにデスクに伏せた。
最初のコメントを投稿しよう!