2 翌朝の失態

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2 翌朝の失態

少し冷静になれば、我ながら、とんでもないことをやらかしたと思う。 ホテルから逃げてきた手前、明日、中條君に会ったら、どうしたらいいんだろう? というか、金輪際、会いたくない。 彼がいる会社に行きたくない。 いっそのこと、代行頼んで退職しようか…。 …………なんて思いを巡らせたところで、朝が来れば、出勤するしかないのが社会人の宿命というもの。 それに、営業ホープの彼は大抵、外出していてほとんどオフィスにはいないんだから、予定を確認してうまくやれば、顔を合わせなくて済むかも。 なので、私は本日も予定通り出勤して、会議資料の準備に勤しんでいるのですが…………、 「ただいま戻りましたー」 「お帰り〜、中條」 えぇぇ!??今日は午後の会議まで外じゃなかったの??? 早々にオフィスに戻ってきた中條君の声に、思わず身を隠すようにデスクに伏せた。
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