2 翌朝の失態

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事実上、詰んだ―――。 “予定通り”は終了。もうここからは絶好調に想定外なんですけど…??? 身を小さくして存在を消そうとしている私の周りは、彼の登場で一気に賑やかになった。 「お疲れ〜、どうだった?」 「もちろん順調。報告メール入れてます。契約書の確認、お願いしますね」 「分かった。追加であと何件か担当できる?」 「楽勝っすね、いくらでもいいですよ。だけど、書類作成が追いつかなくって。そこで、桜井チーフ、お願いがあるんですが…」 「なに?ま~た面倒なこと言ってくる気?」 「専属のアシスタントつけてくれません?」 「無理言わないでよ~」 中條君と話しているのは、営業部の【桜井チーフ】31歳。色素薄めの甘いフェイス。 きっとこのまま課長、部長へと昇進していくであろう彼は完全に私のストライクゾーン。 …………なんて、今はそれどころじゃないのだけれど。
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