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7.雨上がり
雨が、上がりました。
いずこかへ走り消えてゆく雲の隙間から、眩しい太陽が顔を覗かせています。
二匹の白蛇は日差しに鱗を輝かせながら、ゆっくりと祠裏手の深い山中へ消えて行きました。
沢のこちら側では、呆けたように座り込む田之介がひとり、その姿を見送っております。
田之介はその後大層立派な神社を建てまして、藤吉と伽耶を――二柱の水神、蛇神様を――それはそれは熱心に、生涯お祀りしたそうでございます。
――――――――「蛇神様」とっぴんからりん
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