夏の恒例、雨上がりの朝

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「この大雨も明日の朝には上がっているらしいよ。だとしたら、絶対アレが来るから……今日は早く寝るわよ」  スマホの天気予報を確認しながら、姉ちゃんが僕に囁く。  僕は頷き、急いで風呂に入る。  風呂場の窓を叩く大粒の雨。  夏休みはどうしても夜更かししてしまいがちだが、雨上がりの朝の前夜は早く寝ないといけないと学習している僕たち。  しっかり寝ておかないと、後悔する……! 「サチ〜!カズ〜!起きて頂戴!暑くなるまでに終わらすわよ!みんなでやれば、あっという間に終わるから!」  日が昇ったばかりの雨上がりの朝。  ママの大きな声で叩き起こされる僕たち。  僕はTシャツ短パンに着替え、急いで朝ごはんを食べる。 「雨上がりが一番抜きやすいのよ、雑草は!」  各自の水筒を準備しながら、この日を待ち侘びていたかのように嬉しそうに語るママ。  まぁ良いか。  これを頑張れば、冷凍庫の中に眠っているご褒美アイスを戴けるのだから。  僕はきゅっとキャップを被り、軍手をはめた。 (おしまい。みんなでやれば、あっという間〜♪)
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