5 有能メイドは魔術の練習に付き合わされる

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「だいじょばない」 「だいじょばないのね」  はい、と手渡してくれた透明な水筒から水分を補給する。 「あ!」  キラキラと光を反射する水筒にデジャヴを覚えていたら、インク瓶の存在を思い出した。 「ごめん、ビビ。私すぐに行かないと」 「え、休憩しないの? 水分補給しないと倒れちゃうよ」 「あー……。そしたら、この水筒、もらって行ってもいいかな?」 「いいわよ」  ありがとう、とお礼を言うと、ビビに背を向け自室へ急いだ。 ***  インク瓶は、すぐに見つかった。昨日、もらってからテーブルの上に置いてそのままだったから。  手におさめたら、目指すはルナールの自室。 「待ってろ、私の透明インク……!」
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