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セレスティアは19歳で、この国ではすっかり行き遅れと呼ばれる歳だ。咎める言葉こそなかったものの、突然こんなお荷物を抱える羽目になった両親は、内心では苦々しく思っているだろう。それとも、あれほど入れ込んでいた婚約者に振られてしまったセレスティアに、呆れているのだろうか。
大切に育ててくれた両親に合わせる顔がないと部屋に引きこもれば、婚約破棄の話を聞きつけたメイドたちが続々と部屋に駆け付けた。
「高貴なルーザートン侯爵家のセレスティアお嬢様を振るなんて、なんて見る目のない方なんでしょう!」
「本当に! お嬢様はこんなにも素晴らしい方なのに」
「お嬢様、あまり落ち込まれませんように。大丈夫、ふさわしい縁談ならいくらでもありますよ!」
そう言ってメイドたちは口々に励ましてくれるが、ただでさえ行き遅れであるうえに、王族に婚約破棄されるというケチが付いた状態のセレスティアに縁談など来るはずがなかった。なんだか無理に同情されている気がして、なんとなく居心地が悪い。
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