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「セレスティア、この男は誰だ!? 殿下に婚約破棄されたばかりというのに、男を部屋に入れるのは感心できないぞ!」
両親はシルヴァンとセレスティアを交互に見て怪訝そうな顔をしている。
(あああ、とっても面倒くさいことに……)
セレスティアは、両親にどう説明したものかと頭を抱えた。
だいたい、シルヴァンとセレスティアの関係はかなり説明しづらいのだ。自分の恋愛を成就させるために他人の恋愛を妨害し、しかも先日うっかりワンナイトラブしてしまった仲である。当たり前だが、あまり人に胸を張って言える関係ではない。
セレスティアはわかりやすく視線を泳がせた。
「ええと、それは……」
「俺から説明させてください。申し遅れましたが、マケナリー家嫡男のシルヴァン・マケナリーと申します。突然訪問してしまい、申し訳ございません」
シルヴァンは礼儀正しくお辞儀をすると、胡散臭いほどの爽やかな笑みを浮かべた。
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