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「先日のセレスティア嬢の婚約が破談になった件で、さぞやお二人は心を痛めているだろうと思い、先んじて婚約の前に、お話をすべきかと思いまして」
「確かに、その配慮はありがたい。先日の突然の婚約破棄は、誠に遺憾だった。そもそも、セレスティアの婚約は国王陛下の意向によるものだ。それを反故にするなど、あの王子はいったい何を考えていることやら……」
セレスティアの父は熟考した後、ゆっくりと頷いた。
「婚約を認めよう。うちの娘をよろしく頼む」
「ありがとうございます。近々、両家の顔合わせの食事会を開こうかと思います。もちろん、両親には俺の想いはすでに伝えており、了承も得ていますので」
「おお、話が早くてありがたいな。さっそく日時を決めよう」
シルヴァンと両親は満足そうに握手を交わし、当人のセレスティアを置き去りにして、婚約話がトントン拍子に進んで行く。
こうして、第一王子に婚約破棄されたセレスティアは、シルヴァン・マケナリーと婚約することになったのだった。
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