順調な交際

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「それから、似合ってるぞ、そのドレス。やはり俺の見立て通り、セレスティアはシンプルな服のほうが似合う」 「あ、えっと。どうもありがとう……」  セレスティアは顔が火照るのを感じて、少しだけ俯く。  今日の着ているのはシルヴァンが先日送ってくれたシンプルな藍色のドレスだ。シンプルだが品がよく、メイドたちから「よくお似合いです」とすこぶる評判がいい。  これまでのセレスティアは、乙女ゲームの悪役令嬢セレスティアが着ていたような派手なドレスばかりを選んでいた。  しかし、最近はシルヴァンが選んで送ってくれたドレスやワンピースを着ることが多くなった。シルヴァンが選ぶのは、セレスティアが持っていたドレスとは正反対の、落ち着いた色のシンプルなドレスばかりだ。思えばセレスティアはきつく派手な顔立ちをしているのだから、シンプルな服が似合うのも当然だろう。 「いつも私に似合うものを選んでくれるけど、どうしてシルヴァンはそんなにセンスがいいの?」 「そりゃあ、セレスティアのことばかり考えているからな」    シルヴァンはくすりと笑うと、そっとセレスティアの耳元に顔を寄せる。
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