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起きて早々虚ろな目でそう呟くシルヴァンに、セレスティアは神妙な顔をして頷くしかない。
気まずすぎる沈黙が二人の間に流れた。
窓の外で小鳥が鳴き、空は雲ひとつなく澄み渡っている。こんな時でなければ、爽やかな朝だと喜べたのに。
やがて、沈黙に耐えかねたシルヴァンが堰を切ったように喋り始めた。
「えーとその、とりあえずここはうちのタウンハウスだ。今は社交シーズンではないから、領地に家族は帰ってるし、誰も人はいない。安心してほしい。で、あー、その……。とりあえず、シャワー浴びてこいよ。ドロドロだろ、その、いろいろ……」
シルヴァンは目線を泳がせた。セレスティアはコクコクと頷く。
「そうさせていただきますわ!」
「シャワー室は部屋出てまっすぐ行ったところにある。あるものは何でも使えばいい」
「お気遣い感謝しますッ!」
そう言って、セレスティアはブランケットを身体に巻いてそそくさと部屋を出る。
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