玉砕したふたりの翌朝

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玉砕したふたりの翌朝

「うわぁああ、ヤっちまいましたわぁあ……!」  セレスティア・ルーザートンは絶望した。  朝起きれば、見知らぬ豪華な部屋のベッドで、セレスティアは男と全裸で抱き合っていた。割としっかりめに、腕と足を絡めて。  まさかと思って自分の足の間をまさぐれば、しっかり事後だった。じりじりと股座が痛み、腰が重だるい。  しかも、相手は悪友のシルヴァン・マケナリーだ。ただし、昨晩の記憶は、すっぱり抜け落ちている。  必死で昨晩のことを思い出していると、うっかり嫌な記憶の扉も開いてしまった。  セレスティアには、前世の記憶がある。    前世、彼女は現代の日本で働く依田織唯というオタクだった。  特に織唯がハマっていたのは、「薔薇園の秘密のシンデレラ」という乙女ゲームだ。子爵家の娘のファナ・ウィナーズが主人公で、王子のレイモンド・カティックがヒーロー。  王子の婚約者である悪役令嬢・セレスティア・ルーザートンや、主人公ファナを盲目的に愛するあまり王子暗殺計画を企てる悪役令息・シルヴァン・マケナリーの妨害を切り抜けつつ、ハッピーエンドを目指すゲームだ。
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