永遠(とわ)の蛍

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 今まで我慢させてごめんね。プラネタリウムが終わった後は、お父さんと合流して永遠の好きなハンバーグを食べに行くつもりだから。  毎年の三月一一日は蛍の法要を優先して、永遠の誕生祝いはその前後の休日に行われてきた。なので、急な話に永遠は驚いてしまう。  お父さんと相談したの。去年に十三回忌が終わったことだし、今年からは法要の予定を早めて、永遠の誕生日を祝ってあげようって。  でも、それでいいの?  永遠だってもう中学生よ。いつまでもわたしたちだけの娘じゃないもの、今のうちに思い出を作らないと。それに、蛍だって一緒に永遠の誕生日を祝いたかったと思うの。  永遠は大げさに何度も頷いて見せる。蛍の気持ちも考えた両親の変化が何より嬉しかった。
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