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助かるには?
「つまり、普段の習慣行動は出来ているけど、肝心な、知能は無いと言うことかしら~?」
ヨウコ先生は、キョウマに聞いた。
「正解」
キョウマは答えた。
「その推測、凄いね!!馬鹿なことばかりしているのに、ちゃんと、考えているのね!!!!」
ナオは、褒めた。
キョウマは、チッ!と舌打ちをする。
「……科学と、動物番組観てたら、誰でも分かる」
「じゃあ、この習慣行動を利用して逃げるべきだよ!!」
1人の女子生徒が言う。
だが、キョウマは、キッパリと切る。
「それは、無理だな」
「なんでよ!!!!」
キョウマは、諭すように、女子生徒に言う。
「習慣行動なら、ルーティンがある。ワーム達は、それに従い、行動している。考えてご覧?普段どおりに動いているなら、町の人間達も、普段の仕事のように行動しているはずだ。港まで、行くんだよ?ワーム達が、たくさんいるなか、どう、行動するんだ?それに、まだ、梅雨だ。今は、止んでるが、あの雨に当たったら終わり。梅雨があがるのは、来週位だろう。安全性を考えるなら、来週だな」
何人か、膝から落ちる。
「そ、そんな〜」
俺は、キョウマに聞く。
「キョウマ。俺たちは、早く、逃げたい。お前なら、なにか奇策あるんじゃないか?」
キョウマは、俺の質問に嬉しそうだ。
「うむ。あるにはある。だが、それは、命がけだな」
ヨウコ先生が聞く。
「なんなの〜?教えて〜?どの道、このままじゃあ、死ぬかもしれないわ〜」
キョウマは、再び、コーヒーを作り、飲む。
「ワーム達の習性は分かった。それにより、生存率が上がった。それを、利用するんだ。だが、雨を防ぐ、レインコートが必要だ。それなら、僕たちは、助かる。だが、この学校には、レインコートの備蓄はない。誰かが、レインコートを調達するしか、助からないよ」
シーンとなる。
「傘じゃあ駄目?」
ナオが聞く。
「片手塞がれた状態で、ワーム達に対抗出来るのかい?駄目だ!駄目だ!!!生存率がグッと下がるぞ?」
ナオが、うなだれる。
言い返すことができなかった。
「なら、くじ引きで決めたら?」
1人の男子生徒が提案する。
「防護服は、2つしかない。2人で、手に入れるしかないな。だが、2人では、帰還する確率が下がるね。すると、最低でも、4人必要だな。火炎放射器と、爆弾が必要だ」
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