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天国であなたを見るわ
「そんな!!!ねぇ!!嘘でしょう?!キョウマ君?!なんとかしてよ!」
ナオが怒鳴る。
そして、如月ミオさんが喋る。
「お、願いしま、す。娘を、ナナミを、この島から脱出してくれる?」
「ママ?ママも、一緒だよね?」
ナナミちゃんは、泣きながら言う。
俺たちは、泣く。
「お、おいで。ナナミちゃん?」
「う、うん!!」
ギュッと抱きしめる。
そして、ペンダントを渡す。
「こ、これ。わ、た、す、ね?ママとナナミの写真が入ったペンダント。ママのお守り。ママね?あなた達を助けるために、囮になるわ。ママ。もうすぐ、死ぬわ。だから、ナナミに生きてもらいたいから、戦ってくるね?」
ナナミちゃんは、泣いて、駄々をこねる。
「嫌だ!嫌だよ!ママ!!一緒に行こうよ!?ねぇ!!!」
如月ミオさんは、ナナミちゃんを抱きしめ、言う。
「ママね?天国で、あなたを見てるからね?このお兄ちゃん達の言う事、よく聞いてね?ツラくなったら、ママのペンダントを見るのよ?最後に、笑顔を見せて?」
ナナミちゃんは理解してくれた。
そして、泣きながら、笑顔を見せる。
「ありがとう」
防護服のキョウマが、何か、渡す。
「…………如月ミオさん。もう、駄目だと感じたら、この爆弾、紐を引いてください。5秒したら、大爆発して、楽に死ねます」
「ありがとう。キョウマ君。必ず、生き延びてね?約束よ?娘をお願いします」
「………はい」
そして、如月ミオさんは、外に出ていった。
囮になってくれた。
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