溺愛と束縛の狭間に

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ある日彼に言われる。 「心配だから、GPS持っててよ」 え? 私のことが信用できないの? 「そうじゃない!ただ、心配なんだ。いつ何があるかわからないだろう。事故に遭うかもしれないし、事件に巻き込まれる可能性だってある。キミを失いたくない。愛してるんだ」 嬉しさがなかったわけではない。 けど、はじめて彼の愛が重いと感じた。 それでも、暴力を奮われるわけじゃないし、我儘も聞いてくれる。 愛されてるとは思うし、何不自由なく暮らしている。 何不自由なく? 『過干渉』 その言葉が一瞬頭をよぎった。 干渉されたくなくて、あの町を飛び出した。 私は今、自由になれているの? 位置情報共有アプリを入れられた。 スケジュールも共有することを求められた。 結婚したら、心配だから家に監視カメラを設置しようと言われているけど、 室内に設置する必要ある? この人と結婚しても大丈夫? ねえ、誰か教えて。 私は溺愛されているの? それとも束縛されてるの?  - 完 -
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