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「俺のシールドと融合したムスタファのシールドは俺の中にある。俺はそれを感じることができる。お前は荒んでる俺の心にいつも水をくれるんだ」
タージはムスタファの両頬に手を添え、唇を重ねた。
「ムスタファ、好きだ。俺はお前の愛なら信じるよ」
また情けないな、と呆れられるかもしれない。けれども胸の奥底から湧き上がる喜びをどうしても抑えられない。ムスタファは「うん、うん」と何度も頷きながら泣いた。
ムスタファはしきたりに倣って、国に仕える運命を持って産まれた。君主のために命を懸けるのがムスタファの人生に与えられた役割だ。だからムスタファは、どうせ命を懸けるなら本当に尊敬できる主に付きたいとずっと思っていた。けれども、軍人として生きるうちになかなかそんな人間はいないのだと思い知らされたから、現実から目を逸らして国王こそが偉大なのだと自分に言い聞かせて誤魔化してきた。それでは駄目だと気付かせてくれたのがタージだった。
ムスタファは最初から正直者なのではない。生まれつき心が綺麗なわけでもない。初めて肌や脳で惹かれたのがタージだったから、タージのためなら馬鹿正直になれるだけだ。
タージはムスタファの涙を拭って、「変な顔」と笑った。ムスタファは深くタージに口付ける。上下の唇を何度も舐めて、吸って、舌を差し入れて優しくなぞった。タージはそれに積極的に応えた。タージの舌もムスタファの口内に侵入してくる。粘膜と粘膜の接触によりタージの興奮や喜びがもっとダイレクトに流れ込んでくる。
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