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性器を擦り合わせるだけの行為とは比べ物にならないほど良かった。温かくて程よい締め付けが気持ちよくて、そのうえタージの感情を生々しく受け取ることができた。
きもちいい、うれしい、しあわせ。そういう気持ちだ。
ゆっくり腰を動かしてタージの体を揺さぶる。タージはムスタファの抽挿に合わせて気息を合わせ、うっとりした眼で快感に溺れていた。
「タージ、……痛くないか?」
「痛くない……きもちぃ……もっと……」
素直に求められると応えたくなる。ムスタファはタージの精神に集中して、最も感じるところを探した。
「あっ、んぁあ……っ」
ある箇所に当たると体を震わせて涙を零した。凄まじい快感に襲われる。タージが気持ちいいとムスタファも気持ちよくて、もう夢中になって腰を振った。
「はぁっ、あっ、あ、んっ、ムスタファ……きもち……い」
「……っく、俺も、もう……」
達しそうなところでタージが両脚でムスタファの腰を抱え込んだ。拍子に奥まで貫き、電流が走ったような快楽に呑まれて限界を超えた。タージも同時に達したらしく、ムスタファの首にしがみついたまま暫く体を震わせていた。
「……うー……クセになりそう……」
寝台に仰向けになったタージと改めて目を合わせると気恥ずかしい。汗ばんだ額に短い髪が張り付いているのがなぜか可愛いと思った。汗を拭ってキスをする。
「なあ、これからもこうやって俺を抱いてくれよ」
「言われなくても」
タージの過去を初めて視た時、世の中には喜びもたくさんあることを知って欲しいと思った。その喜びを今、自分が与えてやれるのだと思うとムスタファはとても誇らしかった。
すっかり元気になったタージは笑いながら言う。
「これが一番ケアの効果が高いな。もう一回しようぜ」
「……ちょっと休ませてくれ……」
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