episode1

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 私は昔から漫画やアニメが大好きないわゆる『オタク』で、小、中学生時代の友人もみんな同じ様に趣味の合う子たちばかりだった。  だけど、そんな気の合う友人たちと高校が別々になってしまう。  何故かと言うと私はどうしても都会寄りの高校に行きたくて、電車で一時間以上かかる場所にある高校に通っていたからだ。  その高校には私と同じような理由で選んだ子も多く、高校で初めて出来た友人はとってもお洒落でスタイルが良い、モデルのような女の子。  当然、漫画やアニメには興味なくて、お洒落や恋愛の話ばかり。  正直私はお洒落や恋愛に興味なかったけど、上手く付き合っていくには周りに合わせる事も大切だと理解していたから自然と合わせていた。  そしてある時、高校の友達数人と買い物をしている途中、中学時代のオタク友達と偶然会った時、その子は相変わらずお洒落には全く興味がない様子で野暮ったい格好をしていた。  話し掛けられた事もあって私が少し彼女と話をしていると、それを見ていた友人たちは彼女が去った後でボソリと『何あのオタク、キモい』と言った。  それを聞いた時、私はショックだったけど聞こえないフリをした。  それ以降も変わらずその友人たち一緒に居続けたけど、彼女たちに『オタク』である自分を出す事は一切せず、それが原因で大学に進んでも社会人になっても『オタク』だという事を隠して生きるようになった。  だから、『オタク』という事は一切バレないようにしている為、お洒落にも余念がなく仕事もきっちりこなし、外では常に完璧な自分を作り上げているのだ。
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