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「はぁ~本当、カッコイイですよねぇ、笹葉先輩」
昼休み、屋上でお昼を食べていた私と温子ちゃん。
サンドイッチを頬張る私の横で彼女はため息混じりにそう口にした。
「笹葉先輩と外回り出来るなら私も営業しに行きたーい」
「何言ってるのよ。遊びじゃないのよ?」
「分かってますよ~。はあ……。笹葉先輩の彼女になりたい……」
「彼女ねぇ……」
「あんなに格好良くて仕事も出来て後継者っていうハイスペック男子なのに、女の影がないなんて怪しいですよ。ねぇ、先輩!」
「え? あ、うん……まあ、ね」
「やっぱりあれですかね、幼い頃から決まった婚約者がいるから、恋愛はしないとか……」
「うーん、まあ、そういう事も、あるかもね?」
確かに、笹葉くんが異性に全く興味を持たない理由の一つとして、婚約者が居るからとか、彼女が大好き過ぎて他の女には見向きもしないだけ、という事もあるだろうけれど、私は笹葉くんは単に女に興味が無いだけに思えるし、鬱陶しい事が苦手で極力関わりたくないんだと思っている。
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