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ポプラ社が受けた衝撃
記事を受けて、『仮面の恐怖王』の巻末に、急遽、ミステリー評論家、中島河太郎の手になる次のようなお断りが入った。
そして他の巻にも小冊子になって挿まれることとなったのである。
<ポプラ社から『少年探偵 江戸川乱歩全集』が四十巻ほど刊行されています。その大部分を熱心に読まれた読者の中には、同じようなトリックや、似たような場面を発見された方があると思います。
同じひとりの作家が書きながら変だなあと思われたかもしれませんが、もともとこの全集のうち、26巻までは少年向きに書かれたもので、27巻の『黄金仮面』からはおとなのために書いたのを少年向けに書き改めたものなのです。
江戸川乱歩先生は読者の対象がちがうので、おもしろい奇抜なトリックを、少年向きのものにも使っておられます。それがいま、こうして同じ全集の中にいっしょに並んで入っているので、気がついた読者にはおかしなことに思われるのです。……
先生はおとなのための作品と少年向きの作品を書き分け、さらにおとなのものでも、一般読者向きのものと、愛好家向きのものと、執筆の心構えがちがっていました。作品を書かれたときの事情が分からないと、誤解を招く点があると思いましたので、簡単な説明の文章を書きました>
↓この文章を読んだ記憶がある人はいるだろうか。
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