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【最初に】
江戸川乱歩の著作権は既に消滅している。
また武田武彦、氷川瓏が児童向けに改作した江戸川乱歩作品の著作権は乱歩にあった。従って乱歩の著作権消滅と共に、児童向け改作の著作権も消滅している。
武田武彦が乱歩の『人間豹』を児童向けに改作して連載した月刊誌「少年少女譚海」(文京出版から度々、社名変更)は1954年三月を以て休刊し雑誌社自体消滅、著作権も消滅している。
武田武彦の雑誌連載において挿絵を担当したのは成瀬一富(数富)であるが、1993年に七十三歳で亡くなっている。
著者が著作権情報センターに問い合わせたところ、成瀬は日本著作権協会に登録していなかった。
理由は不明だが、雑誌の連載小説の挿絵は雑誌社などの買取が多く、そもそも著作権自体有していない場合が少なくなかったともいう。
児童雑誌の連載小説の場合、文と挿絵が一体化して成立する場合が多い。武田武彦の雑誌連載がどのような体裁で行われたかを知るのは、作品の魅力を明らかにするうえで非常に重要である。
また成瀬一富は、現在、再評価が待たれる挿絵画家であり、その業績を改めて紹介することは非常に意義深いことと考える。
そうした理由に基づき、成瀬一富の挿絵が掲載された連載頁の一部が資料として引用されている。
それ以外の小説で、表紙、挿絵が掲載された連載頁の一部が資料として引用されている。
この引用は法律的にも認められている。
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