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第19章 人間じゃない
「と、取りあえずこれがライトマンの『使命』を果たしたってことだな。さて、これを持ってっと」
すると突然。
―おう、ポンコツ。死ぬと思っていたが、残……いや、よくやった。まさかコダマを倒すとは思わなかったぞ。一生分の運を使い果たしたと見える。
「るせー、死ぬかと思ったんだよ!」
ライトマンのディスりに、徳男は苦々しい思いをしながら答えた。
気のせいか、ライトマンの言葉はどんどんタメ口になって、しかも罵詈雑言が加速している。
「で、この抜け殻、どうすればいいんだ?」
―うむ、回収してやろう。ヴァジュラ!
ライトマンが、そう言って何やら呪文を唱えると、徳男の足元に、光の魔法陣が現れた。
―そこの真ん中に、コダマの「抜け殻」を置け。
「はいよ」
徳男がコダマを担ぎ上げ、その魔法陣の真ん中に置くと、光の強さが増して、一瞬、目が眩むほど魔法陣が輝いた。
「うわ、まぶし……」
次に徳男が目を開け……ることはできないが、再び魔法陣を見た時、コダマの抜け殻は消えていた。
「え? 何だ? スゲーな。ワープっての? おめー、こんなこともできるんだな」
今さらだが、徳男は驚いた。その前に、何もないところから突然ライトマンが現れるとか、アイアン・メイデンでタイツマンになるとか、現実ではあり得ないことが続発しているのだが。
「ていうか、スゲー能力持ってるんだったら、自分でやりゃいいのに」
徳男が吐き捨てると、突然。
どおおおおおおおおおおおん!
「ぎゃあ! 何すんだ!」
稲妻が、徳男の脳天から足元に通り抜けた。
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