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星くずアイデンティティー
僕はまだ
生まれてきた意味を知らなくて
ただありきたりな言葉を否定ばかりして生きていた。
僕はまだ
自分が何であるかを知らなくて
目新しそうな言葉を使っては自分と他人を分類ばかりして生きていた。
でも僕は
夜空に散りばめられた星くずに
言葉を忘れ、自分を忘れ、心を奪われ立ち尽くしている。
優しく瞬き、静かに煌めく星くずに
僕が最初に発した言葉は
「ありがとう」だった。
地上で一人さまよう僕の頭の上には
思わず手をのばしたくなるくらい
たくさんの星が優しく静かに輝いていた。
僕はまだ
生まれてきた意味を知らない。
でも僕は
これからも歩き続ける。
優しく瞬き、静かに煌めく星くずの下で。
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