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私たちの街は各区から上って来た面々でした。
1区1区の小さな話ではなくて。
だから余計、女の世界も厳しくて。
他県の田舎からふらっと現れてリーダーの女になり、今では男メンバーに守られる私なんて面白くない存在。
十数人に囲まれ後ろで手を組まされ殴られ蹴られ
パーティーのようなリンチが私を待っていました。
ふと、どんなに殴られても痛くないことに気付きました。
父のパンチの方が星が飛んだ。
それに比べたら何ともなくて
心の中で言いました
「お父さん、私をサンドバッグにしてくれてありがとう…」
リンチはエスカレートし、無反応な私に腹を立てた子が私の腕を煙草で焼こうとしました。
それを見兼ねたI区総番の女の子が制止し、そこでお開きとなりました。
血だらけで腫れ上がった見るに堪えない私の顔を濡れた手で拭ってくれて、肩を貸してくれ、自分の家に連れて帰ってくれました。
手当をして看病もしてくれて優しい人でした。
「根性あるやつ、好きやで」って笑った顔も可愛かった。
傷が治った頃、私はまた私の居るべき場所に帰りました。
事情を聞いてた男メンバーは、私を見ると順番に私の頭をポンポンと撫でていきました。
いつからか私は笑うことも泣くことも無くなって、それでも目だけはギラギラと、まだ生きるって足掻いてました。
守ってやれなくてごめん、、
そう言ったのは特に私を大事にしてくれた3兄たちでした。
笑わなくても可愛いと甘やかしてくれる、私にとっての本物の家族、、家族でした。
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