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早番終了後の時刻に合わせ、店の裏で待ち合わせた。都築さんはもうすでに到着していた。夕方でも気温は下がらない七月の暑さは異常で、彼はうっすら額に汗をかいていた。
「お待たせしました」
準備時間に余裕を持って伝えていた時間よりも、おそらくずっと早く来てくださったのだろう。
「いえ。今来たところですから」
にこっと笑う笑顔は、いつも以上に優しくて、ドキっとしてしまう。
(これはお仕事での付き合いだから。決してデートなんかじゃないんだから)
自分に言い聞かせ、おすすめのカフェ巡りをした。
早速路地裏で見つけた店舗に入り、ショコラカプチーノを頼んでみた。彼の言うとおり、他の店のものは苦い。それも必要以上に苦く感じた。
客入りの少ないないカフェだから、回転が悪くて粉が古いのかもしれない。
珈琲は香りが命。豆から挽きたてが一番おいしいのは言うまでもないことだけれど、粉のまま空気に触れさせると酸化し、芳醇な香りがすぐにとんでしまう。酸化は珈琲の敵。だからこそ保存はしっかりとした容器でないといけない。
このドリンクはまだクリームやチョコレートなどで誤魔化しているのでマシだけれども、エスプレッソだけで飲むとえぐみが感じられるかもしれない。また、使っている粉によってもその苦さが変わってくる。
「やっぱり苦いですね」
私がショコラカプチーノをオーダーし、彼はアイスアールグレイ・ティーを頼んでしたので、私のオーダー品をお裾分けした。しかめっ面をしている。
「そちらのティーを少しいただいてもよろしいでしょうか?」
私の勘が正しければ、きっとこのアイスティーも…
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