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母に言われたあの言葉が、頭の中でぐるぐると回っている。
私の、命日…は…、
はっきり声を出しそうになった時だった。
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
…昼休みってこんなに短かったけ
あとでまた来よう…
そう思いながらも私は立ち上がり、先ほど歩いてきた道を戻って、屋上を出た。
教室へと続く道を歩く。
教室に着くと、琉生が勢いよく私の方に駆け寄ってきた。
「海緒!急にどこ行ってたんだよ…俺も瑠奈も心配したんだよ…」
そうだ…私、瑠奈が母の名前を言って、怖くて驚いて、図書室から逃げ出してきちゃったんだ…。
琉生は心配そうな顔をして私に聞く。
「海緒、さっき図書室から飛び出したあと、どこにいたの…?」
「…屋上」
琉生はその言葉を聞いて私の肩を掴んだ。
「え…!?そんな危ないところに一人で!?あそこ、一箇所だけフェンス壊れてるところあるんだから…落ちたら危ないだろ…!!」
私は琉生の言葉を聞いて驚き、少し俯く。
まさか、あの場所にフェンスが一箇所だけ壊れていたなんて…危ない、見落としていた。
琉生はしばらく黙ってから、静かに声を出す。
「…海緒、放課後屋上で待ってる」
私は驚き、思わず声を出す。
「え…?え?放課後に屋上…?」
琉生は真剣な表情で、もう一度言う。
「…屋上で、待ってる」
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