君と一生分の恋をしたい。

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放課後、私は急いで鞄を背負い、忘れ物がないかチェックして、真っ先に屋上へと向かう。 忘れ物チェックをしていた時には、もう教室に琉生はいなかった。 本当はしてはいけないけれど、私は廊下を大爆走して、琉生が待っている屋上へと向かった。 私は呼吸が荒くなりながらも、屋上についた。 屋上の扉をガラッと開けると、激しい熱風と共に、琉生が待っているのを見つけた。 琉生は私に気づいたようで、微笑んだ。 私の鼓動が鳴る。 本当にこの笑顔を、いつでもそばで見ていたい… …そんな夢は、叶わないけれど。 私は琉生に歩み寄る。 すると、琉生が床を指さして、言った。 「…海緒、隣、座って」 私はうん、と頷いて、琉生の隣に腰を下ろす。 ち、近い、琉生と私の頭が当たりそう。 琉生は私を見て話し出す。 「ごめんね、急に呼び出しちゃって…ちょっと海緒に、話をしたいなって」 「…海緒、最近なんかおかしくない…?昔と違うような…、なんだか…未来を恐れて生きてる、みたいな…最近いつもそんな目をしてる。あと、今日の昼休みもそう。図書室で瑠奈と話してた時。本の名前と作者言われた途端、海緒、いつも以上に目が暗くなってたよね。闇堕ち、って言ってもいいくらい。いつもの綺麗な、透き通った瞳じゃなかった。どす黒くて、まるで海緒じゃなかった…。何かあった…?」 私は思わず目を丸くする。 まさか、読まれていたなんて…。 「俺に…何か話したいことあるなら言って、なんでも聞くから…、」 流石にまだ確実に決まった命日は話せない。 上手く濁らせて…、 「琉生…心配してくれてありがとう…」 よし、確実に決まった命日以外、全部話そう。
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