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どうやら同じ考えだったようだ。些細なことだというのに、胸がいっぱいになって、これでは相手を笑うに笑えない。
犬飼は内心で苦笑しつつ、居たたまれなさに話題を変えようと試みる。
「そうだ、灯篭流しといえば――もともとは死者を弔うものだったが、現在のベトナムでは願掛けの一つらしいな」
「へえ? 日本とはまた違うんですね」
「ああ。羽柴は何かあるか?」
「ねっ、願い事ですか?」
そんなふうに振られるとは思っていなかったのか、羽柴がひどく動揺する。その顔は暗がりの中でもわかるほどに赤らんでおり、どこか緊張しているようにも思えた。
「どうした、言えないようなことなのか?」
「いえ、言えないというわけじゃ」
しばし考えこむ素振りを見せたのち、なぜか羽柴は深呼吸を繰り返す。
「その、蓮也さん。こんなタイミングで言うのもなんですが、聞いてくれますか?」
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