番外編 プロポーズといつかの夢(1)

4/4
前へ
/203ページ
次へ
「あ、ああ」  ……なんだかこちらまで緊張してきた。心臓が早鐘を打つなか、犬飼は急かすこともなく、ただ耳を傾ける。  羽柴は間を持たせて、厳かな雰囲気で口を開いた。 「日本に戻ったら、俺と――」  そこで言葉を区切って、何度か言い淀む。  だが、やがて意を決したかのように顔を上げると、今度こそはっきりと口にしたのだった。
/203ページ

最初のコメントを投稿しよう!

298人が本棚に入れています
本棚に追加