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灯篭が水面に浮かぶ。羽柴は手を離すとともに、言葉を続けた。
「だから――蓮也さんの夢が、俺の新しい夢です」
そう言って流した灯篭のともし火は、遠く離れてもやたらと明るく見えて、まるで未来への希望を象徴しているかのようだった。
――これからも、ともに歩んでいこう――。
その言葉は、はたしてどちらが発したものだったか。
自然と顔を寄せ合い、ひそやかに口づけを交わす。結婚式さながらの誓いのキスに、二人してクスクスと笑ってしまったが、今このときを心に刻みながら寄り添い続けた。
fin.
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