12話~ターゲット~

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12話~ターゲット~

「桐流くん。今日、今から任務、行ってくれないかな?」 「…いいですけど?」 突然? 「本当はね、僕が行くつもりだったんだけど、この案件は桐流くんにまかせたほうがいいかなって思って、僕の独断で桐流くんに行ってもらうことになりました。」 「…それって大丈夫なんですか?」 「たぶん。ターゲットはここから自転車で10分の明後日から取り壊しが行われるが行われる、倉庫にいるよ。ターゲットは僕を殺しに来る、殺し屋だって。」 「わかりました。師匠が殺されるのは嫌ですから」 「…僕が行っても死なないんだけどな~桐流くんひどくない?」 「ひどくありません。じゃあ行ってきます」 前回使った拳銃とスタンガンだけを持って。 廃倉庫へ行くと人が入ってくのが見えた。 ついて行ってみると、ターゲットは中で拳銃の用意をしていた。 そしてターゲットが持っていた発砲させた。 パァン 俺は壁に隠れていたから当たらなかったけど、隠れていた壁に弾丸が当たって崩れた。 そして、聞き覚えのある声で 「誰だ?」 と、問われた。この声は 「……み…尊…?」 ついさっきまで一緒に話してた、尊の声だった。 それには相手も驚き 「……え?」 そして夕日が当たる場所に来て顔が見えた。 それは、黒い服を着てたけど、まぎれもない、俺の1人の友達、高坂尊だった 「…桐流…なんでここに?肝試し?…にはまだ早いし…」 「……尊こそなんでいるの?しかも……拳銃なんかもって」 「…っ」 尊は悲しそうな顔をして、それから笑った。 「…ごめん、桐流。今まで殺し屋なこと、黙っててごめん。それから約束守れなくてごめん。」 その言葉に俺は目を見開き 「もしかして……尊は、殺し屋で……俺の標的(ターゲット)?」 尊は乾いた笑いを浮かべ 「あっそっか…暗殺者りう、の代わりに桐流が来たんだ…じゃあ俺は桐流を殺さないといけないんだ」 その言葉にハッとし、師匠がターゲットの名前を言わなかった理由が分かった。 ……だって、名前を言ってたら俺は、この任務を受けなかったから 「尊…俺、尊を殺したくない。だからさ、尊、俺を殺してよ」 「…俺だって…桐流を殺すのは嫌だ。正直言うとさ、この仕事小学四年生からやってるんだよ。だから今まで殺した人は1000を超える。でも、桐流は最近でしょ?」 「そうだけど…なんで…?…なんで!尊は殺し屋になったの?」 「…それはね……もともと俺は桐流みたいな暗殺者を目指してたんだ。師匠は、庄崎さんって言ってね、いい師匠で俺にいろいろ教えてくれた。だけど俺は一度も勝てなかった」 「…それはっ!俺の師匠も勝てないもんだからって言ってるしっ!」 「俺はそれを四年生から二年間頑張り続けた。実戦も出してくれなかった。そして、異能力がある世界でただの凡人は、ただ埋もれて死んでいくんだって気づいたんだ。そして師匠を捨てて逃げた。その所を殺し屋に拾われた。それは間違っていた。俺さ、異能力持ってたんだよね。去年の冬気づいたんだ」 「…っ……尊が異能力を?」 「そう。未来が見える異能力。まぁ断片的にしかわからないし、見ようと思っても見えない。たまにわかるだけ。まぁ……今日桐流がくるっていうのがわかったのは、数分前だけど…本当に役に立たない異能力だね」 「っつ……」 「それで、殺し屋として殺した数も、桐流のほうが少ないはず。だから、世の中に生きてていいのは桐流のほうだ。…新しい家族もできたんだし、命、大切にしなよ。だから俺を殺して?」 「…いやだっ…いやだっ」 俺には尊を親友を殺すのは無理だっ 「駄々をこねない!」 喧嘩をするときの尊の鋭い声が響いた。 「え?」 「お前が、俺を殺さないなら、俺はこの拳銃で自分の頭を撃ち抜く!!」 …え? 尊が拳銃を自分のこめかみに向けて言った 「…それは嫌だ。だから、公平にどちらが生き残るか決めよう。尊。」 「どうやって…?」 尊は拳銃を下に向け言った 「じゃんけんだよ」 尊は驚いて 「は?」 「じゃんけんで勝った方が負けた方を撃つ。それでいい?」 「…ハハッじゃんけんか。桐流らしいな。わかった。それでいこう」 そうして、一瞬尊が固まった。そして笑って 『じゃーんけーんぽん!!』 尊はパーを出して……俺はチョキを出した。 「は……」 「桐流約束どうりに、俺を撃て。」 「…わかったよ…約束だもんな。でもその前にひとついいか?」 「あぁ」 「尊、お前未来見ただろ?」 「っ…気づかれちゃったか…」 「じゃあこれはいかさまで負けたってこと?」 「そうなるね。でも何度やり直しても結果は同じだと思う」 「…わかったよ…」 じゃんけんで勝つ確率は約33,3%と言われている…けど、尊が未来を見たのなら勝率は100%だ。 俺は拳銃を持って尊の頭に当てた。 師匠がここが一番抵抗されないで死ぬ……一番楽に死ねる場所だって言っていたから、頭を選んだ。 そして、尊が口を開けた。 「桐流、最後に一ついいか?」 「もちろん……」 「今までこんな俺と友達でいてくれてありがとな。そしていろんな約束守れなかったな。桐流は俺がいなくても大丈夫だよな…?。そして、今まで本当にありがとな!俺の……大切な1番の親友」 それを聞いて、俺は泣いた。でも、その涙をこらえて 「俺こそ、ありがとう。アイス、ごめんね……俺の1番の親友でいてくれてありがとう。……楽に……なってね…?っまたね…!!」 さよならは言いたくなかった。もう2度と、死んでも会えないと思うから。 「あぁ。またな桐流」 パァン ターゲットを……親友を撃つ音が、悲しく、静かに響いた。 俺はその死体を見つめて静かに泣いた。 この結末を、未来が見える尊が見ていたら、まだ俺らは楽しくできたのかもしれない 俺が、尊に暗殺者なことをカミングアウトしていれば ……尊が殺し屋菜ことを教えてくれればっ… 過去のことを考えても、俺が殺した親友は生き返らないことをわかっていた
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