13話~尊のいない、暗殺者の日常~

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13話~尊のいない、暗殺者の日常~

俺は、泣いたまま家に帰った。 師匠には、 「いつもどうり、僕が後始末しとくから家に帰りな?僕は、暗殺より隠蔽のプロだからね~」 家に帰ると、美代さんが起きてて 「おそかったね。ごはんあるわよ」 と言われたけど 「そういう気分じゃないのでいりません」 断った。そして自分の部屋にこもって、思い出を思い返しながら泣いてたら、いつの間にか寝落ちしていた。 「ん……」 朝起きて、いつも通り学校へ行く。 そして、朝道で話しかけてくる親友がいない。 俺をからかってくる親友はいない。 そして 朝の出欠名簿に尊の名前がない。 名前がないことに誰も気づかない。 俺だけが高坂尊が存在していたのを覚えている。 ……だって、師匠の『後始末』はその人を対象を、世界の記憶から消し去ることだから。 だから、尊が死んでも誰も気づかない。 放課後 今日は1回家に帰ることにした。 家に帰ると美代さんがいた。 「おかえりなさい」 「ただいま…」 そして部屋に戻り制服を脱いで、Tシャツとジーパンに着替えて貴重品を入れたリュックを背負い、師匠のところへ行く。 「またでかけるの?桐流」 「帰り遅くなるかも…夜ご飯はいらないや」 「…わかったわ」 「師匠!」 「おっ桐流くん。ちょっとこっち来て~」 「どうしたんですか?」 「今日も任務に行ってほしくて…」 「いいですけど…」 「今回のターゲットは殺し屋のぱてぇ本名、双葉蟹(ふたば、かに)を暗殺してほしい。彼の周りにはそこそこの殺し屋が2人と雑魚…手下がざっと50人程度いるんだけど、もろもろすべて殺してほしい。」 …幹部?雑魚…というか…名前、蟹…? 「…はい」 「そして、報酬はお金。1万5000円かな。あと、ランクが上がる。僕の一つ下のランクになる。僕と同じで日本最強だよ。世界に5人しかいない」 ……人を殺してお金をもらう、か… 「……わかりました。場所はどこですか?」 「えっと、ターゲットの隠れ家のひとつの、一軒家。…あっ銃を使うならサイレンサーつけてね」 サイレンサー… 「拳銃の先につけるだけだから。あとあまり返り血がかからないようにね、近所に不思議に思われるから。まぁ最後に後始末はするけど。地図はこれね」 そういって地図を渡された。 「今から行きますか?」 「いや、夜にしよう。」 「わかりました」 夜、9時 地図であらわされた場所に来た俺は家の大きさにびっくりした。 屋敷だった。豪邸だった。 そして、驚きながら正面玄関から侵入した。 「誰だ!!侵入者か!?」 「侵入者が入ってきたぞー!!!!」 「双葉様を守れぇぇぇ!!!!」 そいつらをすべて銃で撃ち殺した。 すごい人数がいたけど、尊を殺すよりなんとも思わなかった。 師匠が雑魚だって言ってる人たちをどんどん撃ち殺していく。 家の中を進むと幹部だと思われる人が2人ターゲットを守っていた。 俺は後ろから幹部を闇討ちした。 「…殺さないでくれ……殺さないでくれ…!!」 とターゲットが言ってきた 「何?死にたくないの?」 「頼む!!命だけは!!」 「……いやだ」 ターゲットの頭に拳銃を突き付けて身動きが取れないようにして聞いた 「情報をやる!!情報をやるから、命だけは!!」 情報…?殺し屋の情報? 「…内容による…先に話してくれるかな、情報を」 「………………はい…いま、殺し屋と殺し屋日本最強5人が暗殺者の殺害を計画しています」 「……誰を?」  「………暗殺者、全員です」 全員…? 「わかった。ありがとう。ターゲットさん」 そして突きつけたままの拳銃の引き金を引いた。 いったん師匠のところへ行って 「終わりました。」 「ご苦労さん。また明日も来てくれるかなぁ」 「いいですよ。……あっ師匠、明日時間少しいいですか?」 「ん、いいよ~じゃあまた明日。」 俺が吐かせた情報が裏社会を狂わすくらいにすごい情報だと知るのはまだ少し先のこと。
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