14話~義理の妹の飛鳥~

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14話~義理の妹の飛鳥~

朝、学校へ行こうと用意をしていると、義理の妹、飛鳥に話しかけられた。 「桐流さん。少し話そ」 「どうした?飛鳥さん」 「…ここでは話しづらいから、学校へ行きながら話そ。私今日から通うの!。手続きに時間がかかっちゃったから」 なんで、ここでは話せないんだ?というか…学校… 「…なぁ苗字は何で通うんだ?」 「…?もちろん黒瀬ですけど?」 「………!!」 かわいい義理の妹(仮)が俺と同じ苗字…これはなんで言わなかったんだってなるぞ!? もうかばってくれる…というかおちゃらけて雰囲気ぶち壊す尊もいないし…やばい…!! それを見た飛鳥さんがいやらしい顔をして 「早く用意していこ!…お義兄ちゃん」 「…やめろ…絶対に学校でそう呼ぶな」 「どうしたの?お義兄ちゃん?私のことは飛鳥って呼んでね」 「…ちっ。飛鳥、俺のこと絶対に学校でそう呼ぶな」 「……考えておくね!」 絶対に考えないタイプだ…尊と同じタイプだ…!! 「で、飛鳥。話ってなんだ?」 「それはね…」 そういって、ケータイの画面を突き付けてきた。 そこには、頬が少し赤くなった俺が写っている写真だった。 「……」 「この写真の意味わかる?」 「……わかんない」 必死でごまかすことにした。 暗殺者なことがばれるとやばいから…!! 「じゃあこの写真の時刻は?」 「…知らないって!違う人なんじゃない?」 というか…なんで…この写真の時刻…10時くらいだと思うんだけど… 「…そう。違う人かぁ…しっかり顔まで写ってるんだけどなぁ…」 「……俺は関係ないし、知らない」 さすがに『殺し』をしてたことがばれたら… 「そうかぁ…この写真お母さんが撮ったんだよね。夜の路地裏を家じゃない方向に向かって歩く、お義兄ちゃんの写真。なんでそんなところ歩いてたのか知りたいんだ」 どうしよう……あっ!ふへ~いいこと思いついた! 「……わかったよ。そこの近くに、同じ学年の知り合いがいてね、俺数学得意だから教えに行ってたんだ」 …俺の特技を使った嘘! 「…ふ~ん。じゃあこれからも遅くなるの?」 「…まぁね…できるだけ早く帰ってこようとは思うけど…」 「わかった。お母さんにはそう伝えとくね。これお母さんに言われて聞いたんだっ!じゃあこれからよろしくね。…暗殺者のお義兄ちゃん」 そういって早足に学校へ向かった。 そして俺は考えた 最後に飛鳥がつぶやいた言葉のことを 『暗殺者のお義兄ちゃん』 なんで…なんで…飛鳥は……俺が暗殺者なことを知ってるんだ…? ……友達、家族の中では……尊に死ぬ前に言っただけなのに…… そこまで考えてから、師匠の言葉を思い出した 『…この世の中にはね、異能力者という異能を持った人たちがいるんだ。その人たちは、隠したり、おおっぴらに使ったり、人によって違うんだよ。 そして…その人たちは、自分の異能が生かせる職場につく。治癒系の異能だったら、治癒師か医者らへん。攻撃系、隠滅系、防御系は暗殺者。あきらめたやつが殺し。 っていう感じで、似たような異能はあっても、同じ異能は世界に存在しないんだ』 「…考えすぎか」 少し前に家族になった義妹が、世界にそんなにいない異能力者のわけないもんな。 俺も早足で学校に続く急な坂道を上った
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