20人が本棚に入れています
本棚に追加
19話~3回戦~
「じゃあ、桐流と飛鳥は来て~。3回戦始めるから~」
「はい」
飛鳥が拳銃を構えて、俺も拳銃を構えた
「開始っ!」
「お義兄ちゃん。私、異能使えるんだっ。私が勝つから」
なにそのカミングアウトっ!、俺だって勝ちたいよっ!
「俺だって勝つから。」
そして勢いでそう言ってしまった
「ふぅん。お義兄ちゃん、私の異能、絶対に避けられないんだよ?だって私の異能が効かなかった人見たことないもん」
……そして、飛鳥が異能を発動させた
そして、飛鳥が目を見開いて
「なんで、なんで、私の異能……心が……読めない……なんでっ!ほかの人のは読めたのにっなんでお義兄ちゃんだけっ」
……飛鳥の異能は、心を読むことなのかな……
というか、なんで、俺の心だけ読めないんだ……?俺が不思議なんだがっ!
「……もういいやっ心が読めないなら、無理やり強行突破しか……」
「あ、飛鳥っ?」
「あぁぁっぁぁっ」
自暴自棄っ!?
そして、飛鳥が拳銃を木刀に持ち替えて俺に向かって走ってきた。
……そんな、何も計画がない、まぁ……俺が言えることじゃないけど……心任せな攻撃は俺に……聞かないよ?
拳銃を、パン、ぱん。と撃って飛鳥に当てた。
「……お義兄ちゃん……?」
そういって糸が切れたように気絶した
「飛鳥っ?」
「ああ、気絶したか……桐流、飛鳥と今同居してるんだったよな?」
……神楽さんって……飛鳥の実の父親だよね……というか、同居っ!?いや!ただの義理の兄妹だから!
「……そうですけど……」
「本当は俺が送りたいんだがな……少し美代と会うのが気まずくてな……送ってくれないか?」
「いいですけど……」
「じゃあもう今日は帰れ、あ……でも、手続きとかあるし無理か。でも飛鳥を早く家に帰したいし…」
神楽さんって……もしかして……親ばかっ!?
「少しいいですか?皆さん。」
「どうした?美玖先?」
「天馬含め皆さんに言いたいことがあります。私、美玖先は本日をもって、五大幹部を辞めたいと思います」
「えっ!?美玖先ちゃんも辞めるのっ!?」
一番びっくりしてたのは師匠だった。
「えぇ。今日の戦いを見ていたら、私の弟子より……いいえ、私よりすごい方がいるじゃないですか。そこに2人。黒瀬兄妹が」
「「はっ?」」
声を上げたのは、俺の師匠と神楽さんだった。
「いやいや、そんなことないって。ねぇ神楽くん」
「そんなことないだろ。なぁ?東雲?」
いや……師匠と神楽さんひどくない??
「その口論はまた今度にしてください。ということで、私は辞めます。それでいいですよね?天馬」
「あぁ。その代わり、仕事はしっかりやれ」
「えぇ。もちろんたまには天馬や庄崎のために会いに来てあげますよ。」
「俺らのため?」
「私たちのため?」
「そうですよ。長年一緒にいた仲間じゃないですか。今後も仲良くしましょ」
少し楽しむような、でも怖さを含めた笑みで美玖先さんが言った。
「「……はい」」
「じゃあ、手続きを……と思ったけど、もう今日は遅いから、また明日集まろうか。場所はここで。あ、儚と洞儀はこなくていいからな。じゃあまた明日。」
そして、俺は見た。儚くんと洞儀くんが泣いていたことに。
最初のコメントを投稿しよう!