3話~日常の暗い影~

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3話~日常の暗い影~

オレンジ色の空に染まった夕方 俺は泣く泣く勉強をしていた 本当は今日も行きたかったけど…仕方ない だって 「おーい、天方!今日テストの点数悪かった奴の補習会あるから、がんばれ」 と担任の葉東先生に言われてしまったから 俺、前回のテスト、数学と理科100点だったよ!!まぁ…英語0点で国語5点社会50点じゃさすがに補習か… 「はい。天方君は英語、国語…社会は、1点超えてるからセーフで…2教科、プリント解き終わったら提出して帰ってね」 「…………ハイ…」 正直言って終わる気がしない…のは…気のせいだろうか… 4時から初めて結局わからな過ぎて、終わらなかった… 学校終了時間の、7時までいたのに… もう空は夜の暗い色に染まっていた 「天方君、明日も…と言いたいけど、さすがにね…かわいそうだから、明後日、もう一度補習ね」 「…はぁい…」 内心ものすごく喜んでいた 明日は、りうさんの…師匠のところに行ける!! でも、それも叶わなかった。 家に帰ると、父さんはまだ帰ってなくて、母さんはいるはずだった 「ただいまぁ」 その声に反応する声がない いつも、必ず…トイレでも返事してくれるのに… 不思議に思った俺は速足でリビングに入る 一番に目に入ったのは 台所とつながっている廊下に母さんが血まみれで倒れていた姿 「か、母さん…?」 返事がなく 「母さん!母さん!どうしたの!!」 もう、わかってた。 ちゆの時と同じで、ありえない量の出血、生気のない目。わかってたけど… 言葉が勝手に出て 「母さん!目、開けてよっ!」 もう、絶対に2度と開くことのない母さんの目に向かって 父さんに 「母さんが、死んでる…」と 電話した。 そしたらすぐに帰ってきた 母さんは胸をナイフで突き刺された後めった刺しにされた。だから、他殺 犯人の特定は難しい。と 言われたことしか覚えてない あぁもし、俺がもう少し頭が良くて、補習がなければ ……母さんを殺した奴と会えたかもしれないのに そして俺は決意した 朝焼けがきれいな空に向かって、 『俺は絶対にいい暗殺者になって、こういう事件とかで悲しむ人がいなくなる世界にする』 と誓った これが、世界最強天才暗殺者の原点
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