4話~スタート~

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4話~スタート~

それから俺は週に3日一番時間の取れる、土曜日、月曜日、金曜日に師匠のりうさんのところに通った。 師匠の訓練は厳しかった。 エアガンで壁の的に正確に当てる訓練。 ナイフの当的訓練。 ヒトの急所。 暗殺者の種類、暗殺者のランクなど。 暗殺者の種類は、新人、ノーマル、ベテラン、異能使い、と 4種類に分かれていて、異能があれば、だれでも、異能使いのジャンルに入れる。 異能使いは、暗殺者の中で最強の分類だそうだ。 暗殺者のランクは、受けた任務の内容と任務の回数などで決まるらしい。 …ちなみに師匠は、日本ランキング3位だった… そんな訓練を日常の隙間を使ってやっていた。 父さんは、母さんが亡くなってから、仕事を増やして 夜、10時くらいまで仕事をするようになった 1年後、中学二年生新級の1週間前。 父さんが再婚の話を持ってきた。 「桐流。父さんな、再婚しようと思うんだ。相手は職場先の佐味秦美代(さみはたみよ)という方なんだけど…」 「…なんでそんなこと俺に聞くの?」 「それは…家族の問題だし…桐流、野々が死んだこと引きずってるかなって…」 「俺は別に…あっでも俺が帰ってくるのが夜遅くても、文句言わない人なら」 これは最優先事項だ。だってそうじゃなかったら、暗殺の訓練できないから…勉強の両立、難しいんだよ… まぁ…いまだに数学と理科以外ボロボロだけど… 「それは…美代に聞いてみるよ…。というか、桐流。いつも夜遅くまでどこに行ってるんだ?」 「…友達と勉強…か学校で補習とか?」 思いっきり嘘をついた。 「そうか」 「でもっ、父さんとの時間は大事にしてるし、友達とも、楽しくやってるからいいでしょ?」 「まぁ…」 「あっ父さん。これから、たまに泊まってきてもいいかな?」 「…その子に迷惑が掛からないなら」 「ありがと。父さん」 こんなうそつきの暗殺者見習いに 優しい父さんに、絶対に、恩返しをしようと思った。 そして、中学二年生になって、新しい、生活が始まった。
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