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夏休み直前、Bのお話
(状況: 教室にて。夏休み前の先生(B)のお話。)
(SE: チャイム・ガヤガヤ)
はいー、しずかにしてー。
今日から夏休みで浮かれるのはわかるが、もうちょっとだけ先生の話聞いてくれー。
(SE: 椅子の音)
この話が早く始まればその分早く終わって、夏休みも早く来るぞー。
ほら斎藤さん、そこは君の席じゃないだろう。早く席に戻って。
(SE: 走る足音)
スマホもしまえー。…近藤くん君もだ。その隠し方じゃこっちから丸見えだぞ。
(SE ガヤガヤが静かに)
……はい。
一学期は新しい環境に慣れる事に皆必死だったと思います。
先生も初めて担任になって至らない点も多く、皆に助けられる事がいっぱいありました。
いつも言う様に、失敗は悪い事ではありません。
先生もいっぱい失敗しました。皆もいっぱい間違えて失敗した一学期だったと思います。
でも、それでいいんです。
(任意: 生徒からヤジ:「私の赤点もいいのー?」)
ははっ。まぁ、そうだな、沢渡さんの言う様に赤点はまぁ、一度くらいは経験しておくのも悪くないと思う。(笑いながら)
大事なのは知らなかった事、間違えた事を振り返り、そこから何かを学ぶこと。
それは勉強であってもいいし、人間関係でもいい。部活やボランティア、趣味に関してでもいい。
4月の自分を思い出してください。あの時の自分と比べて、今の自分は成長できていますか?
(任意:男子生徒:「おれ10cmのびたー」(SE: クラス笑い声))
ははっ、野田くんは確かに成長しすぎだ。
もちろん、先生の言う「成長」は身体的な意味も多少含まれていますが、それ以外の意味の方が大きいです。
例えば部活動。あと少しタイムを縮めるためには、今何ができますか?
勉強なら、どの苦手分野を理解すれば次の定期テストで成績が上がりそうですか?
「まだここに成長できる要素があるな」って思う部分はありますか?
夏休みはそんな「後ちょっと成長したい」部分に集中して一気に努力できる時期です。
努力する分だけ、力は付きます。力がついた分だけ、成長します。
成長した分だけ、夢や目標に近づきます。
でも努力するには、適度に休む事も大切です。
生徒指導の小松先生の注意点を頭において、高校生としての初めての夏休み、
思う存分に学んで、遊んで、成長してください。
新学期に生き生きとした皆と会える事を楽しみにしています。
(皆を見渡す間)
はい、お話終わり。(笑顔で。少し雰囲気が柔らかくなる)
一学期最後の号令は先生がかけます。
起立。(ちょっと必要以上にかしこまって)
(SE: ガタガタ椅子の音)
礼。
一学期、ありがとうございました。(言いながら礼)
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