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大変なことになった。
佐橋と宮嶋から逃れるように店に戻り、
店長に相談の上で即時早退した。
行き先は、岩瀬の自宅。
LINEを送り、岩瀬を追いかけた。
「センセイ!」
岩瀬の自宅の最寄駅の改札で
岩瀬と落ち合った。
タクシーの中。
「すみません‥‥こんなことになって」
「俺は大丈夫。岸野は大丈夫か?」
「はい。残念ですが、バイトは辞めます」
「うーん。あいつら、最低だな」
岩瀬が手を伸ばし、俺の手を握ってきた。
「守れなくてごめん」
「いえ。センセイのせいでは」
岩瀬の手を握り返し、目を閉じた。
不謹慎ながら幸せを感じた。
まだ制服を着ていた3ヶ月前からは
考えられなかった岩瀬との触れ合いに
今更ながら震えていた。
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