68人が本棚に入れています
本棚に追加
夏美が頼りない様子でコクンとうなずく。
その瞳はカメラ外にいる雄一を何度も確認した。
雄一の「大丈夫だよ」という音声が入りこむ。
「それはいつから?」
「17歳の頃からです」
「というと、高校2年生?」
「はい」
「夏美ちゃんは俺達と同じ20歳だよね? 3年間引きこもってるってことで、合ってる?」
頷く夏美が雄一の手を強く握りしめた。
話題がどんどん確信へと向かっていき、また緊張しているのが画面越しの雰囲気で伝わってくる。
「よし、じゃあ最近の話を聞かせてくれる? 家の中にいて、なにをして時間を潰すの?」
「部屋にいるときはネットで買い物をしたり、動画を見たりしてます」
「へぇ、どんな買い物をするの?」
「音楽が好きだから、気になる曲をダウンロードしたり、たまにCDも買います」
夏美の顔に笑みが浮かんで来る。
最初のコメントを投稿しよう!