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「そんなことあるか?」
「実際に起きてることだろ」
「で、でも雄一だってあれはヤラセだって言ってたじゃないか」
達也の声が混乱して揺れる。
「最初はそう思ってた。でも……もうそんな風には思えない」
「地図にもいまよい村なんてなかったし、行方不明者たちはどこに行ってしまったの?」
顔を上げた夏美が質問してくるが、達也は答えられなかった。
「なぁ、明日からバイトを休むから、村を探しに行ってみないか?」
雄一が夏美にそう提案した。
夏美は驚いたように目を丸くして、そのまま固まってしまう。
「おいおい雄一、なに無茶なこと言ってんだよ。夏美ちゃんは……引きこもりだぞ」
最後だけ達也の声が小さくなる。
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