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「今はまだ大丈夫。外が明るくてちょっと緊張してるけど」
夏美はそう言って笑顔を浮かべて見せた。
これから外はどんどん暗くなる。
夜8時に山の中にあるいまよい村を見つけ出すことはきっと不可能だ。
それでも行こうとしたのだから、なにか考えがあるのかもしれない。
☆☆☆
それから日が暮れるにつれて夏美の調子は良くなっていった。
街から人が少なくなり、見知った場所から遠ざかるたびに顔色が良くなっていく。
「少し休憩しようか」
1時間半ほど車を走らせたところで車は高速のサービスエリアへと入っていった。
時間は遅くてもまだ賑わいのあるサービスエリアを見て夏美が戸惑っている。
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