刑執行

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なぜ愛ちゃんの話をここでしたかというと、俺の決心がここで固まったからだ。 助平で下衆な考えはすでに周知の事と思うが俺はどちらも勝確定ムーブだと思っていたのだ。 最低な事に俺は天秤に二人を乗せていたのである。 軽い方に軽いジャブを打っておこうとしたのである。 それが様々な悪環境下でポロリと出てしまったと、こういうわけである。 よくある話だ。 「付き合って下さい。」 「はい、よろしくお願いします。」 これがあって初めて男女交際実現というのが青春の世界では当たり前であり暗黙の了解であるし、特にこの時代はまだまだ十代なんてプラトニックな世代だったからなおのことである。 その儀式を経ていないくせに勝確と心の中でニヤニヤと薄ら笑いを浮かべていた自分に俺は今更ながら激しい嫌悪感を抱かざるをえない。 何にせよ俺は勝確消化試合だと思われた試合にまさかの敗北を喫したわけだ。 そして固まる王座「下田綾子」への挑戦という決心。 まだ断頭台に首を突っ込んではいるものの、その鈍らの刃は解き放たれはいない。 この首まだ我が元にあり 俺の遅い青春を更に美しく彩るのは愛ちゃんではなかった、ただそれだけのこと。 なんつうかアレだよな。 モテない奴って不思議としょうもねぇところで前向きなんだよな。 えぇ?そこそんなポジティブでいいんだ?みたいなムーブが多い気がすんな。 いや、俺の事よ? 読者の皆さんが何かもっとモテたいとか思っている方がいらっしゃるなら今回の俺の痛い青春を参考に…と思っているだけよ? 人をディスってるわけじゃないんだぜ? 俺の過去を自己分析して気が付いたことを述べている、それだけなんだ。 つまり、モテる奴ってのは正しい方向に正しい力を入れて正しい方向にポジティブなんだ。 モテねぇ奴はそれ全て方向が違うんだよな。 これは男女多少の違いはあれど、まあまあ被る部分が多い気がするな。 さぁ立ち上がれ そして舞うがよい その翼の毒を放て 失った翼はたった一つ 剣を持つ手があり 駆け抜ける足があり 羽ばたける翼がもう一つあり 戦いを挑む強固な心がここにはある 断頭台に突っ込まれた首は 石となり 鋼となり 翼を持つ 我翼を持つ者 我戦いを待つ者 我心折れぬ者なり いつかの君へ届いてくれたら〜Execution〜 完 いつかの君へ届いてくれたら〜Beheading...〜 へ続く
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