届けたい出前

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 店の厨房に入って出前の情報を確認した。今のところ彼は行く必要はないらしかった。  彼はそばの配達が遅れたことを正直に言って謝った。店長に叱られるか? 彼は心配した。しかし彼は店長に叱られなかった。そば屋の昼の利用客が店内からいなくなって、彼は昼食した。その時に彼はスマートフォンで投稿サイトに公開する作品を書いていた。  そこに同僚のリリーが来たが、スマートフォンを使っていることに関しては何も言わなかった。彼女はまかないを口にしながら何か言いたそうだった。 「最近遅く来る客いるよね」リリーは言った。  彼はたまたまリリーをモデルにして小説を書こうとしていたので、少し動揺してしまった。 「いるね」彼は答えた。 「彼女にLINEを送ってるの?」リリーに聞かれたのだ。 「彼女なんていない」 「本当?」 「本当」 「私どう?」 「いいね」 「つきあわない?」 「いいけど、遊ばれて捨てられるのはいやだな」 「私遊び人じゃないよ」 「それもそうだね」  高校卒業後すぐに彼の働くそば屋に就職した見るからに真面目そうな女だった。  彼は彼女を高校生時代から知っていたので、遊び人ではないことはよく知っていた。そんな彼女が言うので、彼は少し笑ってしまった。  彼女はまだ高校卒業後一か月しかたっていなかった。  彼は高校卒業後一年たっていて、彼女より一学年上だった。 「こうちゃん可愛いから、彼女いるでしょう?」 「本当にいない」  そうして彼はリリーとつきあうことにした。  彼女と遊びに出かけたいが店の休みの日は彼は自宅で寝ていた。どうも内臓が変な気はした。  病院に行き検査を受けてみようと思い、店長に話したのだ。
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