届けたい出前

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「お腹が痛む?」 「はい」 「大腸かな?」 「まさか」 「大腸内視鏡で診てもらったら?」 「病院に行くのですか?」 「そうだな」  彼はかかりつけの内科に来て紹介書を書いてもらった。  公立病院に来て内視鏡検査を受けることになった。  下剤を飲まされた。午前九時から昼前までかかって大腸内の大便をすべて排泄した。  昼を過ぎていて、すでに午後になっていた。  検査室のすぐそばに入るとすぐに医師が紹介した。  麻酔を口にスプレーで入れられた。  それが終わると体温計で測り待たされた。 「どうぞ」と検査室に呼ばれて入った。  肛門にカメラとメスの役割をはたす超小型の器械を入れられた。はじめのうちは何だかわからなかったが、頭の上に画面はあり彼は自分の大腸内を見ることができた。はじめのうちは興味深く見ていたが、あまり似たようなものばかり画面に映るので彼は視線をそらした。  すると意識が薄くなってきて、麻酔が効いているようだった。  ポリープ発見、と医師の声らしい言葉は聞こえた。 「ガンではなさそうですね」時間は長くかかった。どのくらい時間がたったかわからない。  だいぶ時間はたち気がつくと検査手術は終わっていた。手術を受けた部屋を出て休んでいたら周りに医師や看護師などはいなかった。  若い看護師の女がパソコンで書類を作成してわたしてくれた。説明を受けて彼女の顔を見て驚いた。彼の元恋人の女だったからだ。元恋人は歳上だった。だが少し話して彼は帰ることにした。院内の照明は暗かった。  病院の受付には男の職員二人が待っていてくれたらしい。外は真っ暗で、午後六時近かった。彼は病院のバスターミナルにバスがちょうど来たので、それに乗って帰宅したのだ。  彼の元恋人は病院で働いていることを知ったのだ。そこで彼は思い出した。彼の元恋人の友達はリリーの兄だったことを。  彼は体が辛くて一人で布団を敷いて横になろうとしたが、食事をしていいと言われたか、どうかも忘れてしまい夕食してしまった。  そのあと布団の上で横になっていたら眠りに落ちていた。彼は一人暮らしなのだ。
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